不良な彼と恋の契約
"想ちゃんと、龍樹お似合いじゃね?"ーー

あんなこと言われなれてる。


想と、今井は並べば可愛いカップル。

金髪の不良の俺とは違う。

今井は想の頭を撫でた。
「ここちゃん、俺はーーここちゃんが、好き。
ここちゃんを、泣かす佐伯は嫌い。
今日一日、デートしてくれない?
二人っきりで。
もし、それでも佐伯が良いなら諦めるから」

今井は、本当に優しい。
愛しく見つめる瞳は、大切と伝え合う。


「私、仁くんに嫌われちゃったかなっ」


泣いてる君を抱きしめてるのは、今井。
俺じゃない。
物陰に隠れて、二人の会話を聞いた。




「俺だけはここちゃんの味方だよ。

お願いーー、今日一日、一緒にいさせてっ」

今井は、苦しそうに言った。


「うん、わかった。
ありがとう、たっくんっ」

きっと自然。
自然に、今井に抱きつく想。

だけどーー何も言えない。


だけど、心のなかではーーいつだって君を想ってるよ。




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