不良な彼と恋の契約
「想ーーっ、なんでっ」



動揺せずにはいられない。
俺は男の首から手を離した。

逃げてく奴らなんかに、興味なんかない。

目の前の想にしか、今は興味なんかない。

「あぶねーだろうが。
仁は?1人なわけ?」

気の利いたことなんか、言えない。
つか、見られたくなかった場面だ。

「輝くん、髪変えたんだ。
似合ってるよ!」

ーーーーーー!!


ドンッーーーー。

我慢なんか、出来ない。
俺は路地裏の壁に、想を押し当てた。




「輝くん?」




弱々しい想の声は、少し泣きそうで。
だけど、その瞳は逸らさない。




「仁に近づけた?
想は、金髪の男が好きなんだろう?
だからさあ、イメチェンして見たんだ。
やっぱり、俺ーーーー想が好きだ」


ずっと、この先ーー、想以外あり得ない。
本気の恋を知ったら、戻れない。


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