不良な彼と恋の契約
路地を回ったその場所に、あった。
落ちたスマホ。


俺は、そのスマホを裏返した。


想と仁の二人のプリクラの貼ってあるスマホ。

なんで、これがこんなとこに?

「どうした?
輝っ。
それ、想のーー。」


「俺の勘、当たってないよな?
行くぞ、志貴。

きっと、想なら仁のとこにっ」


おねがい、外れてて。

嫌な予感から、外れて居て。
想は、仁のとこに居る。
絶対いる。

なあ、仁。

想、居るよな?




向かう最中に、仁に、電話した。


何回目かのコール。




「"仁、今、想と一緒にいる?"」


なあ、仁。
頼むから居ないなんて言わないで。

聞きたくない。




「"いや、居ないけど。
ーー想に、なんかあったのか?"」




ついに降り始めた雨。



雨雲だった空、降り始めた雨が
頰を濡らした。


曇り始めた視界。

「"悪い。
想、囚われたかも知れないーー"」










"輝くん、大好き。
ありがとうっ"ーーーーーー














いつだって、、








想うのは想のこと。




< 435 / 455 >

この作品をシェア

pagetop