不良な彼と恋の契約
夢を見た。

優しい手が、輪郭をなぞる。
心地よさから、目を覚ましたらーー見知った顔。

「えっ、佐伯くんっ?
なんでーーーっ」

私のベッドの中に、寄り添う一つの影。
「おはよ、まだ夜中だけど。
可愛い寝顔だったよ」

寝顔を見られたの!?

うわ、恥ずかしい。
私は顔を隠した。
「なんか、やばいわ。
部屋帰るわ」

急にベッドから降りる佐伯くんの、服の袖を握った。

やだ。

離さなきゃ。
「想、それマジでやばいから。
一緒には居られない。
悪いな、また明日」

そそくさと、出てく後ろ姿を見送った。
"一緒には居られない"ーー。

その言葉が、私をより一層、寂しくさせる。

私ーー。

佐伯くんのことーー。
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