不良な彼と恋の契約
「あ、お弁当」

リビングに行くと、斗真さんが、お弁当を差し出した。
三人分。

「え、俺らにも?」

「毒とかーー「ねーよ、体壊して休まれても困るからね。ちゃんと食えよ」

渋々受け取る二人。
「ありがとうございます、斗真さん」

私は素直に受け取った。
久しぶりの、一人じゃない空間が私の心を暖める。

「じゃあ、行ってきます!」

私は元気に笑顔で、玄関を出た。

続いて佐伯くんと相沢くんが、私の後を付いてきた。
「珍しいじゃん、今日はサボらないの?」

今日はーー?

そういえばつい最近まで、佐伯くんの存在を知らなかった。

ずっと授業出てなかったみたいだし、私の隣を歩く佐伯くんの様子を伺った。

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