不良な彼と恋の契約
よいっしょ。

ガタンっ。

想を抱いたまま、玄関の鍵を開けカバンは放り投げた。

カバンの中身が、出たが今は構ってる暇は無い。

想を抱いて向かったのは、想の部屋。
ピンクに統一された、いかにもな女の子の部屋。
そっとベッドに寝かせた。

制服姿の想に、触れたい感情はーーすこしの理性で保つ。

だけどーーーー。

ゴクリ。
喉が鳴る。

よく、考えたら今ーー二人っきりなんだ。

今は斗真もいない。
うるさい類もいない。

俺は、、そっ、と想に近づいた。

想に手を伸ばし、その髪に触れた。

柔らかい長い髪。

ギジリ、とベッドが軋んだ。


瞬間ーーーー

ガタンっ。


わっ!!


なんだ?

想の机の上の写真立てが倒れてる。

写真立て?

俺は、我に返って写真立てを手にしてーーハッ、と気づく。

家族写真。

この瞬間に倒れた家族写真。

「想に触れるのは、許さないかーー」

俺は、写真立てを机に置いて部屋を出た。

< 86 / 455 >

この作品をシェア

pagetop