不良な彼と恋の契約
俺は二階で寝てる想の部屋に来た。

コンコン。

とりあえずノックは礼儀。

やはり、返事はない。
寝てる?

静かに、部屋に入ってベッドに寝てる想に驚愕。
はだけてる!

かけられていた布団は、めくり上がり、制服がはだけてる。

なんだこの状況。

ましてや、二人っきりなのに。

"佐伯くんは、紳士だから"

あー、紳士でいなきゃとは思う。

掛け直す布団。
開かれた瞳が、俺を見つめてる。
熱っぽい瞳の想に、クラクラしたのはーー俺の方。

「想、夕食の買い物行くけどーー何食べたい?」

はい、これが精一杯。

「あ、当番。
私も、行かなきゃっ」


起き上がる想の額に手を伸ばし、触れば暑い額に眉根を寄せる。

「ダメだ、買い物は行かせない。
熱やばいし。
何食べたいか、言えば買いに行く」

こんな想を連れてはいけない。



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