不良な彼と恋の契約
ーーーーーーーーーーーーーーーー

*類side*

タクシーの中、見上げたら病室。

気になるのか、さっきから仁はスマホを睨みつけている。


「夕飯どうする?
コンビニ寄るか?」


「………」


ダメだ。

心ここに在らず、だ。

気になるのか、あの2人がーー。
まあ、わからない訳ではないけれどーー
一応、保護者だし。
まさか、病院でーーなんて、思わない。


タクシーから半ば強引に、仁を下ろしずっとスマホを睨みつけている仁を、引きずりながらコンビニへ。



「っで、なんにする?」



俺の言葉に我に返る仁が、辺りを見渡した。


「ここは、どこだ」

「あほ、コンビニ。
早く夕飯選べよ!」

仁は、頭を掻いた。
恥ずかしそうに、手にとった弁当。

"ココロ温まるハンバーグ弁当"。


「………」


ただただ沈黙。

心の中では、大爆笑だけど。
わかりやすい仁の頭ん中に、顔には出さないけれど爆笑して、徒歩を歩いた。

家まで5分。

< 97 / 455 >

この作品をシェア

pagetop