明日を夢見た君へ
「いやぁ、実は僕、趣味で小説を書いてるんだけどなかなか行き詰ってね。困ってるんだ。」

「へぇ、小説……。どんな物語なの?」

彼女の食いつきはイマイチだ。

「稀代の奇病に犯された少女の奮闘記」

「それって私?」

「さぁ?」

「もしも私を題材にしてるなら……」

「してるなら?」

「私の言葉も載せて欲しい。」

思わぬ発言だった。

「君の言葉?」

「そう、私の言葉。」

少し寂しそうな顔をした彼女。

僕は彼女が何を考えているのか分からなかった。

それでも本人公認ならいい。
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