明日を夢見た君へ
(しまった、見すぎた。)

後悔も遅く、無関心であったはずの彼女が話しかけてきた。

「ねぇ、君、私に何か用?」

なるほど、声も中性的だ。高過ぎず低過ぎない。聞いていて気持ちがいい。

「いや、ごめん。あまりに綺麗な髪だったから。」

僕はそれっぽい言い訳を彼女に伝える。

「あぁ……。なるほど。」

彼女は何故か切なそうに髪を撫でた。
< 5 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop