明日を夢見た君へ
「友達に……なってくれるの……?」

綺麗な日本人特有の黒い目が少し薄い茶色の瞳を大きく開いて呟く

「君と話していて楽しいんだ。もっと話したい。」

当たり障りのない言葉を機械のように吐き出す。

「嬉しい……。嬉しい……」

そう言って彼女は涙を流した。

(そんなに友達に飢えていたのか……)

僕みたいな平凡な人にはわからない生活をしている彼女に興味が湧いたのが真実でありその生活を覗き見したいのが本音だ。

ほかの言葉は建前に過ぎない。

そうして僕は彼女の病院、部屋、連絡先を手に入れた。

この日から村人は卒業した。
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