X'mas Present
X'mas Present
「もう知らない!」

「待てよ莉乃!」

後ろから聞こえるその声を、おもいきり無視すると、莉乃はカバンと携帯だけが入った小さなカバンと、ダウンコートだけを掴んで玄関を飛び出した。


街はクリスマス一色で、もうすぐ日が落ちる東京の街はキラキラと輝きだしていた。

(誠のバカ……)

そんな街を一人莉乃は歩きながら、こんなラフな格好で外に飛び出してしまった自分の軽率さに嫌気がさす。
下はニットのワンピース1枚しか来ていない事もあり、ダウンコートの胸元をギュッと握りしめ、もう一方の手をポケットに入れて、今にも降りだしそうな空を見上げた。
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