X'mas Present

「ちゃんと食べてるの?」
そんな言葉しかでない自分に、莉乃は内心呆れつつも誠の顔を見上げた。
その顔は、莉乃がいなくなって他の女の人と遊べて喜んでるようには到底見えず、莉乃は話をせず逃げ出したことを後悔していた。


「莉乃」
誠は莉乃をそっと、起こすとベッドに座らせた。

その後、ジャケットの胸ポケットからきれいな真っ白な箱を取り出した。

「これ」

「え?」
いきなり何かわからず莉乃は箱と誠を交互に見た。

「あけてみて」
そう言われ、恐る恐る莉乃はその箱を開けた。
中にはきれいなダイヤモンドのあしらわれたネックレスが入っていた。

「誕生日プレゼント」
意外過ぎる言葉に、莉乃は意味が解らず言葉が出てこなかった。

「これ俺がデザインしたんだ」
静かに、そして照れたように言った誠の言葉に、少しだけ話が見えた気がした。

「もしかして……」
莉乃の言葉に、誠は小さく頷いた。
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