X'mas Present
こんな気持ちのまま、どこかでショッピングを楽しむなどできそうにもなく、近所の大型書店とカフェが併設されている店へと足を踏み入れた。
店内はクリスマス関連の書籍がならび、雑貨もクリスマスで飾られていた。
莉乃はそんな店内を少しだけ見ると、小さくため息をついて、すこし並んでいるカフェコーナーに向かった。
少し待った後ホットチョコレートを頼むと、莉乃はそれをもって窓際の席へと座り少しだけその温かい液体を口に含む。
少し冷静になってくると、そんなに怒るようなこともなかったのにと、後悔が押し寄せた。
きちん、と話し合えばよかったのかもしれない。
今日は久しぶりの2人そろっての休暇だった。
朝ゆっくりと幸せな気持ちで目が覚め、いつも通りゆっくりと朝食を取って、散歩に出かけてと、幸せな時間。
相変わらず忙しい誠の休日は、こうして二人でゆっくりすることが、結婚してからの二人のコミュニケーションだ。
そう、平和な休日だったはずだった。
(なのにどうしてこうなったの?)
莉乃はもやもやとした自分の心に問いかけても、はっきりしたことは1つだけ。
最近よくかかって来る女の人からの電話だ。