X'mas Present

今日も二人でゆっくりとした午後を過ごしていたところに、誠の携帯が音を立てた。
仕事でもよくかかってくるが、最近こそこそと電話に出ることが多い誠に、チラリとその画面へと莉乃は視線を送った。

【着信 神林 美樹】


その事に、少しだけ引っかかりを覚えた莉乃は、いけないと思いつつそっと聞き耳を立てた。


「大丈夫、バレていないから」
その言葉に、莉乃は頭が真っ白になる気がした。
誠に限って浮気など……そうは思うも、自分と付き合う前の誠を思い出す。

常に女の影が絶えず、日替わりで相手が変わっていたことを。
結婚して1年、莉乃にとっては毎日幸せな日々だったが、誠にとっては慣れてきな自分との生活は退屈な物なのかもしれない。


言葉だけがグルグルと周り、これ以上は聞いていけないと、ソファに戻るも今の言葉が莉乃の頭を占拠した。

なかなか電話から戻ってこない誠に、更に莉乃は不安になりそっと誠が入っていった部屋へと視線を向けた。
< 3 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop