X'mas Present
いきなりほとんど荷物も持たず帰ってきた自分の娘を見て、だいたいの理由を理解したのだろう。
「お風呂はいっちゃいなさい。あんたの服や荷物は昔の部屋にあるから何か着る物ぐらいあるでしょ?」
「うん」
特に何も聞かず受け入れてくれた母に、涙が溢れそうになりつつ、莉乃は昔の自分の部屋へと足を踏み入れた。
さすがにもう何年も実家から離れていたため、昔のままとはいかないまでも、きちんとベッドも服も整えてくれていたことに、いつかこうやって実家に帰ってくることもあると思っていてくれたのかと、莉乃は少しだけ心が温かくなった。