スーツの君と制服の私
「愛理ちゃん、よくノアちゃんと喋れるよねぇ」
向こうの方で聞こえてくる声。
聞こえないフリももう慣れた。
「ノアめっちゃいい子だよ!」
絶対、私に聞こえてると思ってる愛理。
そんなフォローいらないのにさ。
なんで愛理と仲良くなったのかって言うと、
高校の入学式に愛理が話しかけて来てくれた。
中学から友達がいなくて一匹オオカミだった私。
初めて「友達なろー!」って言ってくれて
嬉しかった。
別に友達なんかいらないって思ってたけど
やっぱり、親友というものができるとすごく嬉しい。
まぁ、そんな嬉しいそぶりなんて愛理に見せないけど。
そこから愛理は私につきまとうようになった。
最初は超めんどくさ!って思ってたけど
だんだんと、愛理が大切に思えて来た。
だから、少し…少しだけ、他の子と仲良くしてたら妬いちゃう所もあるんだ。
愛理には絶対言ってないけどね。