スーツの君と制服の私
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私は制服が嫌い。
子供に見られたくないから。
まず、家に帰って絶対着替える。
愛理と遊ばない時は、私服で家から少し離れた、いきつけのカフェに行く。
コーヒーを頼んで、飲みながら本を読む。
そんな自分に酔いしれてるのかもしれない。
コーヒー飲みながら本なんて大人じゃんって。
早く大人になりたいの、私。
いつも行きつけのカフェに行くのは他にも理由があるんだけどね。
この日もいつものカフェでコーヒーを飲んでいた。
「今日は、寒いですね。」
「そうですね。」
いつも、カフェの端の席でスーツを着て
コーヒーを飲んでいるこの男性と会いたいから。
私もいきつけだから、自然と少しだけ会話をするようになった。
会話っていっても、寒いですねとか。そんな程度。
いつも、彼の隣の席に私も座る。
私も端がすきだもん って自分に言い聞かせて。
彼はいつもコーヒーを飲みながらパソコンを開いてカチカチと音を鳴らせてる。
その音が心地いい。
仕事なにしてるのかな、何歳なのかな。
いつもそう思いながら、時間が経って、結局聞けてない。
子供に見られてないかなとか。
隣に座る私を変に思ってないかなとか。
そんなことを考えて考えて、結局気付けば、1年も経ってたんだ。