旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」
雪菜と大夢
私、雪菜
名前からして、清楚で、儚げで、
美しいイメージ。

だから名前を聞かれて、

「櫻井雪菜です。」

と答えたら、必ず目が点になり、
クスクス笑われる。

身長150、体重80 23歳。
皆可愛い、可愛いとペット扱い。
チビ、デブ、まで言うと

「惜しいな~顔は可愛い。ブスの
三拍子にはならないな。うちはチビ、
デブ、ブスは、居ないから期待
したのにな!!」

部長も会社関係も、惜しい、惜しいと
残念そうに呟く。

誉めてんのか、デブデブ言うな‼。
けなしてんのか、分からない。
兎に角あまり嬉しくはない。
気を使ってくれてるのは丸わかり。



勿論あんまし気にしない!
気にしてたら、デブは勤まらねーよ。

痩せたら雪菜じゃない!
なんて同僚は言う。

そんな言葉が雪菜をささえ、励ます。

ドスコイ、ドスコイ。

毎日走ってるし運動は、してる。
中、高とバレーをやっていたし
社会人も落ち着いたらどっかの
チームに入りたい。

痩せれ無いから仕方ない‼
横綱の異名を取る雪菜様だい。

それにカレシもいる、男前‼。
ニヒヒ

山形大夢、26歳

大夢とは3歳差の、幼なじみ。
家が隣同士で、高校の受験も、
大学の受験も、ずっと大夢が付き
っ切りで家庭教してくれた。

あれは高3の時
期末考査も終わり答案用紙も
返って来た頃・・・

「雪菜ぁ~、雪菜!! 御赤飯 
大夢に持ってって~。」

そう。大夢のお姉ちゃんが
女の子を出産した日だった。

「エ~!めんどい。
ママ持ってってよ ~。」

   《《ガラガラー》》

振り向くと仁王様並みの睨みの効い
た顔でカーちゃんがたっている。

«« 速く いけ!! 動け‼»»

「はっ、はい。」

家のドアを開け10歩、歩くと大夢の家!!二階まで、歩くなら持ってった方がママ三歩お得じゃん。

ブツブツ言いながら大夢の家の
チャイムを押す。 もう一回押す。
多分寝ておるな!
もう一回おす。

しつこく連打で押す。

うちとは違い庭が広くて春は
ハナミズキ夏は欅が幅をとり秋は
キンモクセイが彩って冬は柊の
白い花がいい香りを振りまく。

1月に咲く梅の花は凄く綺麗…。
大夢うらやましいっ。
でも、家にいるのと変わんないかー
隣だもんね。

ま、いいかー。

暫く待つと、カチャリとドアが
開いた。

ボサボサ頭のふんわりツーブロック、
男のくせに目くりくりのイケメン大夢
がアクビしながら出て来た。
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