旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」


ところがある日。


「大夢まってぇ~大夢ぅー」

     「雪菜ついてくんな!! 
      あっち行け!!」


初めて雪菜に近ずくなと言った。

初めての大きな大夢の声に、雪菜は ビクッとした。肩が上がり
クリクリした目が固まってた。


「もう、自分で何でも出来るだろ!!
 俺に近寄るな。」


「だいむう、だいむは、雪菜が
 嫌いになっちゃったのぉ~ウック
            ヒック」


 
花柄のピンクのワンピースのヒダ
を握って、ポロッポロッと落ちた
涙が忘れられない。


愛する雪菜を始めて泣かした日、
ずっと守って来た雪菜を突き放して
しまった。

友達に二人でいるとラブラブウと
からかわれアダナが 
««雪菜の旦那»» とか言われて
いたから。

俺はからかわれる恥ずかしさと
雪菜をそばに置けない悔しさとの
狭間でつらい毎日を送っていた。

雪菜を手放したようで

煩わしい事が減ったようで
それは成長する過程で大なり小なり、この年齢で経験するものだ。


それから何年か、雪菜と、疎遠に
なったが大人になったら
絶対嫁にする気持ちは変らなかった。

雪菜はぷくぷくと横に成長していた。
ある日

本屋で立ち読みしていると
5人位の中坊が入って来て、

「な!な!! 五組の櫻井可愛くね?
 ぷくぷくしてて、なかなか優
しいしいい子だし、俺告ろう
かな?」

 「あ!! 分かる。柳○、加奈子
  に似てるよな!」

「 オレも女子の中じゃ一番かも
 明るいし、あの笑顔好きだな!」

俺は耳をすまし、嫉妬に狂いそう
だった。
雪菜の事だと直ぐ分かった。
雪菜は俺が育てたんだ。
もってかれてたまるか(怒)、

コーラを二本、プリンを二個買って急ぎ足でコンビニをでた。

プンプンプンプン怒り💢ながら
雪菜の家のチャイムを押した。

大夢高2、雪菜中2、の冬だった。

「あら大ちゃん珍しい。いらっし
ゃい。」

「おばさん、雪菜の勉強は俺が
見ます。塾なんて行かなくて
いいですから。

 オレが お.し,え.ま.す.から。」

「え、えええー!!でも、大ちゃんも受験勉強あるでしょ。

 嬉しいけど‥‥
ギョッ‼\=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/
ああぁァ宜しく。」


大夢の血走った目と凄みのある顔に母親の小春は怯んでしまった。
(危ない!此処は刺激せんどこう。
厄介な年頃だし‼)








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