旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」
その夜大夢は社長に呼ばれ、専務、部長と銀座の高級クラブにいた。
接待と言われ断れずノコノコ付いて来てしまった。
ネオンがギラギラ欲望が渦巻く
世界、大夢はなんとなく苦手
だった。しかしこの世界で生きて
行くにはかけ離せ無い事を
知っていた。
遊びも仕事のうちなんだと言う
ことを。
日本髪を綺麗に結ったママが
にこやかに挨拶をする。
「ようこそいらっしやいました。」
黒い着物に散らばった桜の花が
上品に色っぽく叉貫禄もある。
黒い瞳と赤い口紅はやはり素人には出せない艶やかさがあった。
ここの客はTVで見た顔がチラ
ホラ見えた、目が馴染んでよく
見れば、どこそこの社長クラス
ばかりだ。
ホステスも頭がキレて経済や金融、株のうごきなどの話題にも軽くついて来る。
程よく薄暗くホステスも美人揃いだ。
暫くすると社長が急に立ち上がり
深々と頭を下げた。
誰か分かりもしないが俺達も頭を
下げ出迎える。
ホステス達も目配せをしている
相当な大物と思われる。
ママやチーママが張り付いて彼を
もてなしている。
白髪の老人だが、目はギラリと
生きている。
適度に鍛えられた身体は老人というに失礼に当たりそうだ。
彼は柔らかな笑顔を見せながらも
目はしっかりと俺達を見据えている。
「君が山形君か?」
少し嗄れた声は、俺を威圧しながら問いかける。
「あっ、はい申し遅れました。
山形大夢と申さします。」
名刺を差し出すと彼の秘書が受け
取った。
彼は俺をジッと見て
「ふむふむ、なかなかの色男だな!
モテるだろうな!!ハハハ堅くならないでざっくばらんに話そう。」
結構気さくな人かもしれない。
彼は大門の会長で孫娘と食事に行ったりゴルフをしたりするらしい。
楽しそうに話てくれた。
皆がペコペコする意味が今更ながらよくわかった。
会長も俺の事を気に入ってくれた
みたい楽しいお酒が飲めた。
「今度家に来なさい。」
と言われ少し
舞い上がってしまった。
今では九条グループと肩を並べる
企業大門コンツエルンこの人と知り
合いになればもしかしたら
光寿郎と肩を並べるだろう。
そしたらもしかして日本を回せる。
中小企業も、個人企業も収入が得れるように貧困層が無くなり皆が
生活水準があがるように精一杯
働ける。
俺達二人ならそれが出来るかも
知れない。
進学校で知り合った彼とは馬が
合苦楽を共にし夢に向かって、
同じ目標を決め
ずっと一緒に歩いてきた。。
夢のような計画。
男のロマンだ。