旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」
雪菜は風呂上がりの髪をとかしながら
「私ね!この夜景を見て長崎に住もう
って決めたんだ。」
ヘエ「ユッキーってどこに住んでいたの?」
「う、うん・・・東京。」
結菜は目をパチクリして止まった。
「びっくり?」
雪菜は結菜をみあげながら
小さく笑った。
ウンウンと頷く結菜に懺悔するように
重い口を開いた。
「実はね、彼氏は居ないんだ。」
またまた目をパチクリさせている
結菜に
「彼氏と喧嘩したまま転勤になったけど
社長に呼び出されて、
転勤は建て前で辞めて欲しいと
言われたんだ。
理由は言われなかったけど、
彼氏の事が
引き金って分かった。
正確には元カレ。」
「え~それヒドイ!! 彼氏に言わなかったの ?」
「喧嘩したあとだったから、でも
その夜会いに行ったけど、怒っち ゃってて、顔も見てくれないし。」
「彼氏を好きな女がいてね。
大きな会社のお嬢様でね、
そこの会長が彼氏を気に入って 婿養子にしたいから
別れてくれって
8ケタくれるって言うの。」
「もらったの?」
「まさかぁ、彼氏を売るなんて
しないよ。
だから、私を飛ばしたのよ。!!
お金で動かないと思ったんだと思う。」
「一応一回は福岡支店に行けと
言われた。自主退職の流れだよ。福岡で会社辞めれば
東京本社の責任は無いからね。
だけど行かなかった。来たバスに飛び乗ったら長崎行きだった。
「もういいや。利用されるのは
馬鹿らしくてと思って、降りたら此処だった。」
一日中ぼーっとしてたらいつの
間にか夜になってて、そのまま
ホテルに泊まったんだ。
そこでみたのがこの夜景だった。
海の潮の匂いも好き。
そしたら涙止まんなくて、
今まで彼氏に大事にされてたんだ
なぁって今日から一人だなぁって、
寂しくて寂しくて
でも、愛されてたのが‥分かったから。
だから、今度は彼の夢を応援しなきゃと思ったの、彼のゆめは金持ちになって
日本を回すんだって婿養子バンザイダヨ。
でもね、諦めたら人間強くなるよ、
自分一人で自分養わないとだめでしよ。
泣いてる暇ないし。
雪菜は話終えた時フッと顔をあげると
結菜が口をウェーブさせアワアワしながら目からポロポロ、ポロポロ涙をながしていた。
ウグッウグッううう
ポロポロ、ポロポロ
「チョツ、チョッまってよユイ、
な,!なんで泣いちゃうの?
ゴメン、ゴメンってばあ
ー 。」
「だぁっでーユッキー」
ピロロ、ピロロ結菜の携帯の呼び
出し音が響いた。