旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」
「は!! 最低だな!! その彼氏。」

「でしょっ。ユッキーが
 会いに行ったら女の人の肩だいてどっか行っちゃったんだって!!
ムカムカしちゃった。
でね、きいてよ~!それからね…」

余程頭にきたのか結菜は、
一晩中喋り続けた。
女のロってよく疲れ無いもんだ。


昨日は長崎に行ってきたせいか、
落ち込んだ気分が少しラクになった気がする。

やはり気分転換は必要だな。

「大夢~♡」 
最近、上機嫌な奈津が良く食事に
誘って来る。

・・・あんな事もあったが、奈津なりに
考えて雰囲気が悪くならないように
気配りしてくれてるんだと思う。

その夜また大門の会長に誘われた。
社長、専務、部長に俺

毎度高級クラブにお誘いだ。

会長は立派だと思うし尊敬している。
日本の経済を少なからず支えている。

静かで力がある。
「なあ、山形君、ワシには孫娘が
いてな!」

「君の事を好きみたいでな。」

 「は?お孫さんがですか?」

「うん。君達も仲良いみたいじゃ
ないか?」

「えええ、?お孫さんって誰です?
  僕の知り合いにいましたっけ?」

「孫は奈津だよ。狭山奈津」

「えええ、!!
奈津、いや奈津さん?」

「どうだ、嫁に貰ってはくれんか?
 奈津は娘の子でな、
 大事な孫なんだワシの
 目に止まった男で無ければやれん。」

「え~えええ、いやいや奈津さんは大事な友人です。結婚はその~」

「結婚してくれたら、大門は君の
物だ君に譲ろう。

思いっきりやりたいようにやれば
いい。
勿論奈津の父親の元にしばらくは
勉強してもらうが。

会長を息子に譲り、儂は隠居する
君が社長になり会社を継いでくれ。

儂は事業から離れ隠居する。

もう古臭い爺さんは
曾孫の子守して過ごしたい。
考えてはくれんか?」

「奈津さんの気持ちもありますし
 僕には、大好きな彼女がいます。」

「それは大門と天秤にかける
 程の女か?」

「申し訳ありません。それ以上です俺は彼女がいないと 腑抜けなんで
す。」

「ホホウ、君は覚悟をして
 言っておるのか?」

「え、‥」

「儂は大門隆司だぞ!!
 覚悟をして、答えなさい。
儂に恥をかかせるのか?」


社長も専務も青くなったが、
俺は覚悟を決めたんだ。

答えようとしたとき

「まあまあ、会長、山形さんもすぐ答えられませんわよ。ねえ~

 お友達と結婚なんて、ホホホ

 ワタシと会長が結婚するぐらい、ビックリよねえ~。」

ママが機転を効かせて中に入って
来た。

「まだ若いんですもの、遊びたい
年頃デショッ。ゆっくり考えてみ たら 良いわよ。

ンー会長せっかちなとこは昔から 変わらないのよ。♡♡」

ママと会長の仲は多分パトロンだ
ろう。
今ならハッキリわかる。

誰の意見もきかない会長がママの
言う事には耳を貸している。

ママは、美人で色気がある。
50位だろう。
いつからの付き合いなのか、
そっちの方が気になる。

ギクシャクは、したものの何とか
切りのけた。

ママにお礼を言って店を出た。






   

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