旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」
「プレゼントだよ。開けてみなよ。」

クスクス、クスクス笑う婆ちゃんと山根さん。
光寿郎はひっくり返って笑ってる。

包みは
「アダ?アダルトショップー?
ばば婆ちゃん
なに買ったぁ、???」

       「貞操帯?」




「自分の身は自分で守れ。
 最悪の事が起きないためだ。
 多分彼女を引き離したのは、大門

 アイツなら会社脅すくらい
 電話一本ですむよ
 勿論私だってね… 
 現に結菜の支店長脅して結菜と
食事に何回も行った。」



「婆ちゃん、そこ自慢にならん。」
 光寿郎はげんなりと呟いた。

夜、別客として、クラブ美桜に
光寿郎と光寿郎の秘書他8名が来ていた。
光寿郎は、大夢にメールで


(あれ付けてきたか?)


俺は光寿郎の顔を見ながら

(おう。付けてきたけど
違和感がある)
と返信。


光寿郎がニヤニヤして回りの男達と笑い出した。

しばらくして会長と何人かの偉そうな男たちがやってきた。
ママがすぐ飛んできた。

その後日本髪をピシッと結い上げ
紫色の着物にグレーの帯をした
年配の女性。上等な着物を着た
貫禄満点な婆ちゃんと、
美しい着物を着た女性3人を伴って入って来た。

九条の秘書だと直ぐ分かった。
美人で、立ち振る舞いが上品
九条グループは女性の身なり立ち
振る舞いに厳しい会社だ。

沢山の客の目が釘付けになる。
ここのホステスさんも皆綺麗で
頭もいい、だが日本美人と言う訳
もない。

しかし婆ちゃんが連れ立ってきた
女性は、凄く知的で日本美人だった。


「あら…偶然。」
光寿郎の席の10人位が立ち上がり
頭を下げた。


それを見たホステスやママは、
彼女が普通の、人物でないことを知
るだろう。

「ちょっとお話いい!久し振り。」


婆ちゃんは隆司に話しかけると


「おお、九条家の、椿様。
 久し振りじゃのうハハハ。
 まだ生きとったか!!」

隆司は飲んでいた水割りを驚きつつ
テーブルに置いた。

「迎えがこないうちはまだまだ
元気ですもの。」

「あんたこそ、へっぴり腰まだ振っ
てんの?
 元気だねえ。」

「男は死ぬまで現役じゃわい。」

「あらっ、あなた大夢じゃない!
 何してるの?」

「ほほう、九条家まで名前知られて るとは凄いな山形君」

「この子は大事な預かりものなのよ。
 九条と繋がりがあるの‼。
 大門さん、何にも手出だししないでね。

 じゃっ

 私は孫が、財布忘れたらしくて
持って来ただけなのよ。」

向こうに見える光寿郎に、向かって手を上げた。
< 38 / 64 >

この作品をシェア

pagetop