旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」
「おばあ様、ありがとう。」
わざとらしく光寿郎は財布を受け
取ると婆ちゃんに小声で
「今日やられるパターンだな。」
「釘さしておいたけど危ないね。
逆効果だったかも。
あれは付けてるかね?」
「付けてるみたいだよ。」
「山形君この前の返事を聞きたい。
奈津の事をどう思っている?」
「同僚です。友人としてはこれか
らも、仲良く行きたいと思っておりますが
それ以上は,…ありません。」
「そうか‥残念じゃ。」
隆司はウーロンハイを置くと
ママに目配せをした。
「チューハイ、山形さんに!」
ママがカウンターに向かって叫ぶ。
婆ちゃんに連れられ九条家一同は
引き上げた。
「じゃ私達はこれで、」
「ああ…今度合うときは、結婚式
じゃな!!」
[ホホホ、御冗談。もっとすごいとこよ。」
婆ちゃんは相手にせずサッサと切り上げた。
しばらくすると荼津が車でやってきた。
その後泥酔した大夢が奈津に支え
られ車に乗せられていった。
車は某有名ホテルに入って行った。
奈津は凄く嬉しそうだった。
男も女もしイプにはかわりない。
30分してホテルに抗議しレイプ犯がいると交渉するが、断られた。
仕方無く警察を呼びますと携帯を
出したら渋々了承された。
弁護士と九条家の名前をだし
鍵を受け取る。
支配人を連れ部屋に踏み込むと
全裸にされベッドに横になっていた
大夢を発見した。
イヤアアアァ、ビックリした裸の
奈津が毛布で身体を隠す。
彼が無理やり奈津を連れ込んだと
弁解するが揺すっても、
叩いても起きない。
救急車を呼び搬送されて行った。
「狭山奈津、君のしたことは犯罪
だよ。
それに彼は貞操帯を付けている。
君を連れ込んで何をするって言
うん だ?
君が探していたのはコレだろう」
光寿郎は鍵を見せた。
奈津は首を振り泣き出した。
ホテルの支配人が
「警察は直ぐ来るそうです」
そう言うと、益々声を荒げて泣いた。
あのクラブにも警察が入るだろう。
奈津は足から崩れ落ち
「大夢が大夢が悪いのよ。
大学の時からずっと彼が
好きだったのに。」
[お前の、わがままで80過ぎた爺
さんも警察行きだ。それに大夢、
多量の薬飲まされて危ないんだぞ、おまえ下手すりゃ殺人犯だよ。」
[え、嘘よおおぉ そんなそんな
つもりなかったのぉ~」
奈津は起こした事の顛末を知り、
泣きじゃくった。
大夢は2日間眠りから冷めなかった。
あのままホテルに置いたままだった
ら本当に死に至ったかもしれない。
主犯は大門隆司
バーテンが薬をこぼして量を計ら
なかったらしい。
殺意はなく穏便にすますため
話し合いになった。
結局大夢が薬は自分で飲んだと
主張し事件にはならなかった。
長年仲間としてやって来た奈津を
哀れっぽく思った大夢の優しさかも
知れない。
会長は辞任し,クラブは取り
潰された。
奈津は大夢の計らいで刑事事件に
こそ、ならなかったが
何処からか情報が漏れ、
淫乱女と噂が立ち会社にいられなく
なり外国へ逃げるように移住した。