旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」
興信所に依頼して2週間が過ぎた。
九条家から連絡が来た。

結菜も光寿郎も俺も、婆ちゃんちに集まった。

ドキドキを押さえきれない俺は
約束時間より二時間も、早く来た。

なぜ結菜と光寿郎も一緒か?分か
らない。
野次馬的なものだろうか?。

婆ちゃんが貫禄満杯で入って来る…
後ろから山根さんもついて来る…

みんなご苦労様。
「山根 」と、一言声をかけると
山根さんは大夢の前にA4サイズの紙袋を差し出した。

少し戸惑いながら中を見ると
ケーキ店で働く雪菜、
以前よりずっと細くなり
可愛い雪菜の写真は、この前会社
の前にいた雪菜だった。

大夢は写真を見ながら
目が♡♡♡に、なっている。

誰も見ていなかったらA4サイズの雪菜に、チュッチュッチュッと
やってるはずだ。

唇が無意識に、とんがってる。

彼女の二週間のスケージュールが
事細かに調べてあった。
ケーキ店が終わると直ぐカフェに
出勤していた。
休みは殆ど取らなく真面目で評判もいいらしかった。

場所を見ると、長崎?

その言葉に光寿郎と結菜2人は顔を上げた。
二人が覗き込んで見た写真の人物は‥光寿郎が顔をしかめて

    「うそだろう~」と叫ぶと
結菜も、「えーっ」と叫んでいた。

婆ちゃんは意味不明な顔をしたが

俺たちと雪菜は知り合いだと説明し
た。結菜と光寿郎の話に良く出てく
るユッキーが雪菜だと大夢は今頃知った。

そこにいた全員が溜め息をついた。

「なにやってんだよぉ。」
全員がガクリとしている。


探して探していた雪菜は
こんなに近くにいた。

「さて、どうするかい?
あの娘は本当にいい娘だったよ。

 大夢も孫と変わらないから
 変な娘なら報告はしないつもりで長崎のケーキ店に行ってみた。
 お金を忘れたと言ってみたんだよ‥」

       ‥

「ごめんなさい。財布落としたみたいで知り合いが持ってくるから
 それまで待ってもらえません?」

 「ハイハイ。大丈夫ですよ。」
      

「今もちあわせが‥なくて夕方ぐらい ですけど‥。」


「店長、長崎を楽しんでらっしゃるのだ か ら、いいじゃないですか?
 折角の旅行なんですもの。
 わかりました。
 私が出し代えます。」


「ちょっと待ってて下さい。」
 そう言ってバタバタと店の奥に
 入って行った。

レジで会計を済ませコッソリ
失礼ですがお連れがこられるまで
これ使って下さい。
今これしかなくて‥五千円を渡した。
長崎楽しんで下さいね。凄く
良いところで大好きな町なんです。」
    
      「あ、有り難う。」

山根も感心したそうで
「奥様がお世話になりました。」
そう言って10万渡して来たそうだ。

雪菜はビックリしてアワアワしてたそうで
追いかけて返しに来たけど
「奥様に恥をかかせないでください。」
 と一括したら

「ビビりながら、有り難う御座
います。」
 と受け取ったらしい。
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