旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」
大夢も本気だと言うことを
伝えたいんだろう。
「そっちがその気なら
いいわよ。
もう知らない。」
とは言ったものの暇だし次の飛行機まで時間があるし大夢の会社まで足を
延ばしてみた。
「もう一度説得してみるか!!
やっぱり大好きだし‥気持ち込
めれば分かってくれる。」
久しぶりにサングラスをして髪を
アップにして変装してみた。
お昼時、外で待っていると
女ズレで大夢が出て来た。
「アレー課長だ。またあの女と
一緒!! 最近頻繁に来てるよね。」
「ああ、ホントだ。
丸吉不動産の娘だ。
課長の事狙ってるよゼッテー。」
女の子達は腕を組み、足を勇ましく
開いて敵意丸出しで話していた。
「美人だし、課長もまんざら じゃないって噂だよ。」
「マジ!」
「そうよ、昨日だって、一緒に食事
してたし。」
「みたの?変な噂、飛ばしちゃ駄目だ よ。」
「見たし、しかも腕組んでたし。」
「マジ」
「マジ?」雪菜もつい口走った。
彼女達に変な目で見られながら
尻尾巻いて早足で歩いた。
少し前を歩く2人は仲良さそうで腕を
組んで歩いていた。
(何で?昨日は私と居たじゃん、
怒って帰ったけど
そんな早く心変わり出来るんだ。
大夢が分からないよ。)
「仕方ない‥か?」
早足で二人を追い越し信号で止まった。
「へえ~綾乃あの映画好きなのか?
女の子なのに?」
♡「だって、面白そうじゃない。」
「じゃあ今度いくか?土か日。」
♡「やったー。デート?」
「そうだな!デートだ。」
真後ろで2人の会話が聞こえる
信号でデート決めなくても、ってか
今もデート中じゃん。
雪菜ももう、駄目だと観念して通り
かかったタクシーに乗り込んだ。
サヨナラ大夢今度こそ
逆玉のりなよ。
そうつぶやくと長崎に帰って行った。
其れから2ヶ月が過ぎた。
大夢の着拒も相変わらずだ。
もう11月になった。
そんなある日
ケーキ店の店長が本格的にスイーツを
勉強してみないか?
と誘われた。
「長崎が好きなのは知ってるが好きと勉強は 違う。」
そう言われ納得する自分もいる。
やはり迷ってしまう。
大夢の番号を押してみる。
やはり繋がらない。
また休みをとり大夢の会社まで足を延ばしてみた。
11月になっていたから変装は楽だった。
髪をクルクルにカールしてサングラスに
薄い長いカーデイガウンを羽織り
自販機の椅子に座り彼を待った。