旦那様からのI LOVE YOU「 雪菜偏」
「フンッ!!’」
鼻息悪く、大夢は、ニヤリと笑うと
櫻井雪菜と名前を見せつけ、
パパパと操作
して消去の文字を雪菜に確認させるように
雪菜の目の前にもっていくと、
「ピッ」と親指で押して
消える様を雪菜に見せた。
フンッ
後ろから、「大夢♡」と呼ぶ声に
雪菜と大夢が振り向くと・・・
「綾乃、おせーぞ!!」
と雪菜にみせつけるように綾乃の
華奢な肩を引き寄せた。
グイ
「だれ?」綾乃は、ただならぬ
雰囲気に大夢の目を覗き込むように
聞いた。
「結菜の知り合いらしいよ。
花嫁さんの知り合だってサ。」
「ナンパされちゃった?
大夢今日すごーくカッコイイもん ね。」
クスッと笑いながら綺麗な笑顔を見せた。
「そうか?綾乃だって
ダントツで綺麗だよ。
誰かさんより凄く綺麗だし!!
花嫁さんより綺麗じゃ駄目じゃ
ん。」
「ヒューヒュー次はお前たちか?」
男友達に冷やかせられながら
テンション高めに輪の中に彼女と
消えた。
ションボリした雪菜を確認した大夢は、
胸の透くような思いと半分何とも言えない複雑な思いが残った。
辺りの証明が消えると
白無垢姿の結菜と紋付き袴の光寿郎が入って来た。
結菜は、角隠しをとると博多人形
のような美しさがあった。
大夢は、隣に綾乃を置きながらも
雪菜をジッと見ていた。
雪菜は知った友達が居る訳でもなく
ポツリと咲いた花のように静かに
座っていた。
話す人も居なく1人寂しかったが
結菜の門出だ、寂しい顔や悲しい顔は
絶対ダメだと自分に言い聞かせて
出来るだけ明るく振る舞った。
「あの子かわいくね。」
何人かの男が近寄り、雪菜に
チョッカイだしていた。
雪菜は大夢に助けを求めるような
顔をしていたが大夢は、知らん顔を
して綾乃と話していた。
大夢は小さな声で
「ふんっ!! しるか(怒)」と呟いた。
困り果てていると、結菜の家族が
「もしかして雪菜ちゃん。」
結菜の妹らしき女の人が現れ
「遠い所ありがとう。」と御礼を
言われ親族席に移動させてくれた。
結菜の妹、陽菜も先日プロポーズ
されたらしく結婚が決まったと
話してくれた。
陽菜は結菜より行動力がありあんまり
悩まないタイプらしいが
顔は流石に姉妹よく似てる。
彼氏から、
空港でのど真ん中で土下座され、
死ぬとまで叫ばれ、参ったと笑い
飛ばし、でも、
流石に恥ずかしかったらしい。
「わかる~私も道で・・・
あっでも駄目になった
けどね。」
陽菜と雪菜が仲良くしてるのを
みた結菜もホッとしていた。
光寿郎も、「あれが復讐らしいぞ!」
と結菜に耳打ちした。
「自分の彼女ほっぽるなんて酷い。」
結菜を落ち着かせるのに
必死な光寿郎は、結菜がお色直しに
引っ込んだ時に大夢を呼びつけた。
「お前、終わったな!! もう雪菜は
お前を離れたぞ!! もう別れる覚悟をしろ。彼女を不安のどん底に、突き落とした時点でおわったな!!」
「えっ‼。」