まだまだ。
次の日も、朝のバス当番を教えてもらい

年中組のクラスに入らせてもらった。

咲は、年少組の唯ちゃんのクラスなのに………。

もしかしたら、男が苦手な唯ちゃんのクラスには

敢えて入らせてもらえないのかもしれない。

まぁ、焦らなくてもこれから毎日一緒に働けるんだけど。

そんな時、年中組の夏苗先生と海晴先生に声をかけられ

卒園式で音楽担当の唯ちゃんから、式の流れとBGM の曲を聞いて

練習の時に流すように言われた。

何でも、当日年少さんはお休みだから唯ちゃんがピアノを弾くんだけど

練習は、クラス担任の唯ちゃんに代わって

年中と年長でするから……彩先生がピアノを弾き

海晴先生と夏苗先生が年中の子供を、誘導するらしい。

その為、BGMを担当して流すように言われたんだ。

直ぐにウサギ組に行き事情を伝えると

「えっ!…………あぁ……………あの。」としどろもどろに答える。

やっぱり僕が話しかけると困るよな。

どうしようかと悩んでいたら

「航、どうした?」と

バスから帰って来た悠人先生が、助けに来てくれた。

「あっ………!」

お互い気まずい思いをしていた、唯ちゃんと僕は

天の助けのように悠人先生を見た。

悠人先生に事情を話すと

「後で書いて渡す。」と言い

唯ちゃんにも「大丈夫だから。」と笑って安心させていた。

海晴先生は、唯ちゃんはフリーだって言っていたけど………

やっぱり二人は付き合っているような気がする。

だって、唯ちゃんの表情は悠人先生が登場してから………

スゴく柔らかいものになったのだから。
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