まだまだ。
ペンダントの一件以来、意外にも仲良く話せるようになった

僕と唯ちゃん。

きっかけは

僕の愚痴を聞いて可哀想に思ったのか、用事を言いつけてくれる海晴先生。

「航、これを唯ちゃんに渡してきて。」

「航、唯ちゃんが重そうにしてたから
うさぎのエサを運んでやって。」

「来週から始まるプールの掃除、唯ちゃんにやり方を聞いてお願い。」

まぁ、雑用を押し付けられてる気もするけど…………。

お陰で、唯ちゃんからも

「航先生、チョコレート食べよう。」

「壁面の飾り、どっちが可愛いと思う?」と

周りから姉弟のように見られる程仲良くなった。

ちょっかいを出しても逃げられないどころか

この間なんか『航君』と、他の先生達に言っていた。

スッカリ距離が縮まったことを、喜んでいたら…………

応援してくれていると思っていた海晴先生に

「あんまり浮かれてると、後で痛い目を見るよ!」と釘を刺された。

たぶん唯ちゃんがまた急に距離をおくことを心配して

言ってくれたんだと思い、気にしていなかった。
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