美しき復讐
アンズの足音
「じゃあ、また明日ね。」
「あぁ、じゃあな。」
直斗の家は私の家の向かいにあるの。
1本道を挟んだらすぐよ。
「ただいま。」
「おかえり。おそかったわね。」
「直斗と寄り道してたの。」
「だと思っていたわ。柚ちゃんがいたら別だけど…。」
そう…ね。
柚がいたらそっちにいるかもしれないわね。
他に友達がいないのかってそういうわけじゃないのよ。
私、門限は守るからそれより遅くなった場合
それ相応の理由があるってことなの。
「柚に相談はもうできないかもしれないわね…。」
「大丈夫よ。柚ちゃんだもの。大丈夫よ。」
「お母さん…。」
「さぁ、ご飯よ。壱希(いつき)を呼んできて頂戴。」