姫は王となる。



ドクン、ドクン。


緊張感が抜けた瞬間、やっと身体に血が巡ってきたように感じた。





「至急、城に戻る。護衛兵20人は、帰り道の安全確認をしろ。そのうちの一人は先に城に帰り、副長と老婆に北国の王が現れたと伝えよ」

「「はっ」」


風の指示で、北国の王を取り囲んでいた護衛兵数十人が姿を現した。


「王様、ここは危険ですので至急、城に戻ります。よろしいですね?」


風は抜いていた剣をしまい、早口で言った。


「…あぁ」


切迫した状況に、そう返事をするしかなかった。



「では、参りましょう」


さっきよりも大人数の護衛兵に囲まれ、村を後にしたー…






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