姫は王となる。
"何故こんな時にー…"
副長が不安になるのは、当たり前だ。
北国の王が不法に入国したし、それを手引きした疑いのある国土大臣は行方不明なんだから。
けど、老婆の言いたいこともわかる。
「…こんな時だからだ」
少し護衛長としての任務から離れ、考え直さなければならない。
共に、この東国を守っていくと誓った。
そのために、護衛長として王様を支えると誓った。
けど今の支え方では、王様が壊れてしまうかもしれない。
心から愛した花蘭様の笑顔をもう二度と、見れなくなってしまうかもしれない。
それでは護衛長として、王様の側にいる意味がなくなってしまう。
どうしたら、花蘭様を守れるのかー…
離れて、考えてみる必要がある。