姫は王となる。



「おはようございます、王様。老婆でございます」

扉の外から老婆声がし、はっとする。


こんな姿見られたら、何を言われるかわからない!

「な…何用だ?」

いつもはメイドにやってもらう着替えも、老婆に見られる前に慌てて自分で着替える。


「本日の会議は延期となりました。つきましては…」

会議が…延期?

慌てて着替えていた身体が止まった。


何故ー?


今日会議を行うと言い、風と別れた。
村人47人が殺され、北国の王が不法に入国していた。

こんな重大な問題がありながら、何故延期にー…?



「王様、聞いておられますか?」

「えっ…あ、あぁ」


考え込んでる場合ではない。
急いで、着替えねば…

再び、着替えを始めた。




「つきまして、本日の王様の護衛は、護衛隊副長が務めることになっておりますので」

「…え?」


風はー?


「昨日保護された子供たちにお会いなさる際には、副長と私もお供致しますので、お一人では行かれませんように」

「あぁ…わかってる」


一人では行かない。
わかってる。


いや、そうじゃなくて…






風はー?








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