姫は王となる。
突然の来訪
休みをもらった、翌日。
「王様、お休みはいかがでした?」
延期されていた会議が今日行われることになり、老婆と共に王室から会議が行われる部屋に移動している最中、後ろを歩く老婆に聞かれた。
「…わかっているくせに」
思わず、ボソッと出てしまった言葉。
「何か?」
「いや、とても有意義な休みだった」
聞こえているくせに、聞こえないフリをする老婆に苦笑いが出てしまう。
けど…
「ありがとう」
周りには警備兵がいるため、とてもとても小さな声でお礼を言った。
老婆には、聞こえているだろうけど。
「王様」
前方から風が駆け寄って来て、目の前に膝まついた。
「…どうした?そんなに慌てて」
「はっ。国土大臣が見つかったと、隠密から報告が上がってきました」
「本当か!?」
ずっと行方を探していた、国土大臣。
これで、問題解決に一歩ー…
「しかし、遺体で見つかったと…」
「…」
遺体でー…?
驚いて、言葉を失う。