姫は王となる。
「自害しないよう細心の注意を払っていましたが、このような結果になってしまい、申し訳ございません」
土下座して謝る、風の姿。
そんな姿など見たくなかったのにー…
「あーあ、護衛長としてクビしょ?そんな奴」
「!」
突然部屋の扉が開き、知らない男の人の声がした。
風が瞬時に立ち上がり、守るように私の前に立った。
老婆も風の横に立ち、胸元に入れている武器をかまえる。
「勝手に入られては困ります!」
部屋の外にいた警備兵も、その男を止めようとするが、不審者相手にしては対応が甘い。
…誰?
風もいつもと違う警備兵の対応をわかっているのか、不審者相手に剣を抜かない。
ていうより、どうやってこの城の中に入って来たんだ?