姫は王となる。


テーブルを挟んで向かい合わせに座り、西国の王子を見た。

年齢は、私と変わらないかな?
まだ若くて、さっきの言動といい、王子とは思えないぐらい軽そうな感じがする…色白で、顔は整っていて綺麗だけど…

まじまじと見ていると、あることに気付いた。


「…本日は、お一人でこちらに?」

風の一言に、ピンときた。

「あぁ。護衛兵をぞろぞろ連れてきたら、勘違いされて入れてもらえないだろ?」

王子だというのに、一人でこの東国に入ってきたとー…

王族として、ありえない行動をとっている西国の王子を見て驚いていると、目が合ってしまった。


「花蘭女王様、ちゃんとしたご挨拶がまだでしたね。私、西国の第4王子 カイトと申します」

西国の王子はソファーから立ち上がり、膝まつき頭を下げた。

「以後、お見知りおきを…。カイトと、お呼びください」

ニコッと笑いながら顔を上げた姿を見て、さすが王子だなと思ってしまった。





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