姫は王となる。
「しかし、それには条件がございます」
「!」
条件…
風に向けていた顔を、カイトに向けた。
「花蘭女王様が私と結婚し、今よりもより一層、西国と東国の友好関係を深めるというのが条件でございます」
ドクン!
「…」
私と、カイトが結婚ー…
「…友好的な関係を深めたいと仰いましたが、それはこの東国が西国に吸収されるということでしょうか?」
呆然としてしまい言葉を見失っていると、静かな口調で風が聞いた。
「いや、私は西国の王子と言っても第4王子です。王位を継ぐことは、よっぽどのことがない限りありません。死ぬまでずっと、第4王子のまま…そこで父は、今窮地に陥っている東国の王との縁談を提案したのです」
「西国の王様からの提案…」
「はい。花蘭女王様が私と結婚すれば、東国のバックには西国が付く。そうすれば、北国は二度と攻めてくることはない。人質に取られているお妃様も、すぐに解放するだろう。それが、今の西国の王の考えでございます」
確かに、西国の勢力はこの辺りでは最強。
その西国がバックに付けば、北国は攻めてくることはない。
「…」
しかしー…