姫は王となる。





「冗談抜きで、東国の弱点はお前だ。護衛長、風」




真剣な表情でカイトは、風に向かって指をさした。



「今日会ってみて、噂通りだと思った。次に北国が狙ってくるのは、間違いなくお前だ」


…西国の王子も、そう思われるかー…


「…そうですか。ご忠告、ありがとうございます」


「何だ、その反応は…すでに、わかっていたということか?」

苦笑いをしながら、カイトが言った。


「護衛長としての職務は、全うしておりますので」

そんなカイトに少しだけ頭を下げ、そう答えた。


「護衛長としての職務ね…花蘭女王様は、今の話を聞いたらどう思われるか」



「!?」


このことを、花蘭様に…いや、王様に言うというのか?






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