姫は王となる。





「風はどうした?」


昨日は突然、西国の王子カイトが来訪してきたため会議が延期になってしまった。
そのため急遽、今日に行われることになった。


「はっ…会議の準備があると仰って、本日の護衛は副長の私が務めさせていただきます」


朝、支度を済ませ王室から出ると、扉の前に膝まついていたのは副長の雨宮だけだった。


「会議の準備?」

今まで会議の前は、私と老婆を含めた3人で話し合いをしていたのにー…

「はっ」

「そうか…まぁ、いい。行くぞ」

「はっ」


昨日応接室から出る時、風は後ろに付いて来なかった。
西国の王子カイトが帰った後も、王室に来ることはなかった。




そして、今日の朝も顔を出さない。





風は、何を考えているー?









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