姫は王となる。
「おはようございます。王様」
会議が行われる部屋の前まで来ると、老婆が深く頭を下げ迎えた。
「おはよう。そういえば老婆も、今日の朝は来なかったのだな」
いつもは風と一緒に王室の前で待っている老婆も、今日の朝はいなかった。
「申し訳ございません」
理由も言わず、謝るだけの老婆。
「…まぁ、いい。風は、もう来てるのか?」
「はい。大臣たちも、お揃いでございます」
「そうか…」
今日の会議では、国土大臣が遺体で発見されたこと。
昨日、突然西国の王子カイトが訪れたこと。
そして、西国の王子カイトとの縁談話が西国の王様から提案されたこと。
大臣たちに報告し、話し合わなければならない。