姫は王となる。



でも、もし…





大臣たちから、西国との縁談話を進めるよう言われたら?






「王様」

「!」


会議が行われる部屋の扉の前で、ぼーっと考え込んでしまっていると、老婆が心配そうな表情で顔を覗き込んできた。


「大丈夫ですか?」

「あ…あぁ。…扉を開けろ」

「はっ」

老婆からの視線を避けるように、扉の前に立つ警備兵に命令した。


返事をした警備兵は頭を下げ、静かに扉を開けた。






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