姫は王となる。
「この国は、今のままでは北国には勝ち目などございません。お妃様を無事に連れ戻し、国民たちの命や財産、そしてこの国の王であらえる花蘭様のお命を守るためには、悩んでいる時間などございません」


風がそう言い切ると、大臣たちからは賛成の声が多数上がった。



「西国といえば、近隣国では最大の勢力だと聞く。その西国が後ろ盾になってくれれば、この国も安泰だ!」

「先代の王様は、西国と友好的関係を築き上げてこられた。その結果が今、窮地に陥っているこの国を救うのだな!!」 





まだ問題は解決していないのに大臣たちは喜び、握手し合っている者もいる。




風はずっと前を向いたまま、一向にこっちを向こうとしない。



「…」



もうー…






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