姫は王となる。
コツコツ…
ガシャンガシャン…
私と警備兵の靴の音しか聞こえない。
その静けさが、感情的になってしまっていた自分を落ち着かせる。
全てを知っていて、国境に向かった風。
命は懸けるなと言ってあったのに。
この国を守るため…
私の命を守るため…
自ら犠牲になろうとするなんてー…
そういうやり方は、私は好きではない。
そのこともわかっているから、私には何も言わなかったんだろう。
勝手に一人で決めて…
一人で死に行くなんて…
私はそんなこと、絶対にさせない。