姫は王となる。
村人たちが埋葬された場所まで行くと、お墓の上にはまだ新しい花が供えられていた。
誰がー…
「護衛兵はしばし、離れて待て。花蘭女王様、どうぞ」
カイトは微笑みながら、お墓の前まで誘導する。
「あ…あぁ」
ゆっくりと歩きお墓の前まで行くと、しゃがんで手を合わせた。
ザワザワ…
背後にいる西国の護衛兵が、ざわめき立つのが聞こえる。
…そんなに私の行動は、おかしいのか?
けど、私はどんな風に思われてもいい。
村人たちが犠牲になったのは、私の責任だ。
子供たちの両親も、ここに眠っている。
「…子供たちは元気にやっている。あの子達の未来は、私が必ず幸せにする」
とてもとても小さな声で言い、手を合わせながら深く頭を下げた。