姫は王となる。
なぜ、またこの国に…国境の境界線は、風たち護衛兵が守っているのではないのか?
…まさかー…
ドクン!
「花蘭女王様、お下がりください」
「!」
呆然と立ち尽くすと、カイトが目の前に立った。
そして離れていた護衛兵たちも、守るように私たちを囲んだ。
「北国の王様、私は西国の第4王子カイトと申します。私の父…西国の王から言伝てを預かってきております」
「!」
西国の王から?
私は、そんなの聞いていない。
「"このたび、西国の第4王子カイトと東国の王である花蘭は、婚姻を結んだ。よって、東国に対するこれ以上の暴挙はやめていただきたい。もし、まだ続けると言うのなら…その時は、西国も敵に回すと思え"」
カイトが西国の王の言葉を代弁し、北国の王に向かって堂々と言った。
最大勢力を持つ西国の王様からのお言葉…
こんな心強いことはない。