姫は王となる。
「花蘭女王様!!」
剣を持ち、北国の王に向かって行った。
カイトが大声で名前を呼び、後ろから西国の護衛兵たちが追ってくる足音が聞こえる。
けど今の私には、目の前にいる北国の王しか見えていない。
"殺せ"
「!」
北国の王の口の動きで、何を言ったのかわかった。
殺せ…だと?
「!?」
「花蘭女王様」
北国の王まであと、数メートルのところで北国の護衛兵数人に囲まれた。
「花蘭女王様!!」
カイトの悲鳴に近い声が耳に届いた。
「お命頂戴する」
「!」
一人の北国の護衛兵が剣を振り上げた。
空に振り上がった剣を見上げー…
私は、ここで死ぬのかー…
目の前に、北国の王が居るというのに。
私まで北国の手によって、殺されるのかー…
ガシャン!!