姫は王となる。
「風!!私たちは生きて帰らなきゃいけないの!!」
戦っている風の背中に向かって叫んだ。
「城で老婆が、私たちのことを心配して待っている!!生きて帰ることを信じて待っているの!!」
初めて見た老婆の涙。
悲しくて流す老婆の涙など、もう二度と見たくない。
「だから生きて帰らなきゃいけないの!!この国の未来のためにも!!」
死ぬ覚悟をするなら、生きて帰る覚悟をして欲しい。
私を守るために死ぬことを選択するなど、何も嬉しくない。
たとえ二度と結ばれなくても、風には生きていて欲しい。
誰と結婚しようが、私は風だけを愛している。