姫は王となる。
「ハァハァ…」
身体が重くて、動きが鈍くなる。
右手に持っている剣も、段々と重く感じてきた。
「花蘭女王様は、相当お前を好きみたいですね」
「!」
目の前にいる北国の王が、薄気味悪い笑みを浮かべながらそう言った。
「…黙れ」
ハァハァ
お前みたいな薄気味悪い奴に、花蘭様の名前を呼んで欲しくない。
「お前を国境で殺したと思ったのに、生きているとは思ってもみなかった。さっき、お前さえ邪魔しなければ花蘭女王様を殺せたのに」
「…黙れ」
「まぁ、その状態だといつまで持つか…お前が死んだら、すぐに花蘭女王様も送ってやるよ。あっちの世界で仲良くしていろ」
ハァハァ
「…うるさい…」
身体がダルくて、会話するのも辛い。
けど、ここで倒れるわけにはいかない。