姫は王となる。
北国の王を殺すまではー…
ハァハァ
「花蘭女王様を殺し…東国をなくしたとしても……お妃様の心は…手に入らない…」
ハァハァ
そう言うと、北国の王の顔色が変わった。
ハァハァ
「逆に…一生お前を恨み続ける……だから…お前は…一生お妃様に…愛されることは…ない」
「黙れ!!!」
今まで剣を抜かなかった北国の王が、とうとう剣を抜いた。
「お前ごときが!!王である私のことをとやかく言うな!!」
"お前ごとき"かー…
ハァハァ
その通り…俺は、ただの護衛長だ。
こうやって自分の命を懸けて、国や王様を守ることしかできない。
愛する女のためにできるのは、この命を懸けることだけ。